水泳の池江璃花子選手が、白血病の治療から退院されたといううれしいニュースが報道される中、私は日本骨髄バンクからドナーの候補に挙がったことを知らせる連絡を受け取りました。
私は、年明けから病院での実習を開始することになっています。「ここから様々な手技を身につけ、患者さんの役に立てるようになりたい」と漠然と考えていたこの瞬間に、自らが体を張ることでどなたかの助けになれるかもしれないという機会に巡り合うとは夢にも思っていませんでした。
もちろん不安がないわけではありません。心身ともに負担が大きいことは医学を修める身として理解しています。基本的には平日に様々な検査があり、実際の移植のときには何日かにまたがる入院期間があります。
実際、家族や友人に相談してみても、反応は様々でした。
最終的に、一番背中を押してくれたのは、ほかでもない大学でした。
教員が医師ばかりなのもありますが、移植に際する理解を最も示してくれたのは大学教員の皆さんたちでした。
すぐに状況を把握し、移植に参加することで成績に不利にならないような手続きを整理してくれたときには、ある意味感動を覚えました。
考えてみれば、今からの実習のタイミングというのは、私たちにとって、患者から医療従事者への橋渡し期間です。
この実習を通じて、今までは「患者」としてしかかかわりのなかった医療機関において「医療従事者」として扱われるようになるわけです。
純粋に「患者」のみの立場にいることができるのは、これが最後だともいえます。
そのような意味では、このタイミングで患者としての立場を身をもって体験することも、今後プラスに働いてくれるのではないかと考えました。
というわけで、今回の移植については、協力するという意思表示をするに至りました。
もちろん、今後検査やコーディネートの中で、実際に移植をするようになるかはわかりませんが、できる限りの協力はしたいと思います。
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