「若者の〇〇離れ」が流行語となりつつある今、お酒も例外ではありません。
私は個人的にはお酒が大好きなのですが、世間一般では、どんどんお酒を飲まない人が増えているようです。
そんな中、お酒について、日本ではある傾向が目立つようになっています。
なんと、20代では、男性よりも、女性の方が飲酒率が高いと言うことなのです。
20代女性が約6割なのに対して、男性は約5割。
これは今までの歴史上、極めて稀有なことです。
こちらの内容については、厚労省が、ホームページにとても詳しく解説しています。
厚労省が、これだけ丁寧なホームページを作っていると言う事は、厚労省としても、取り組みたい内容の1つなのだと思います。
詳細は上記サイトに丁寧に記載があるので割愛し、概略だけ記載しますと、
- 女性は男性よりも体質的に飲めるアルコール量が少ない(体内に水分が少ないため)
- 女性に多い疾患である「乳がん」や「骨粗鬆症」は飲酒により助長される可能性がある
- 体質的に女性は早期から肝硬変やアルコール依存症になりやすい
ことが記されています。
その他には、女性特有のリスクとして、特に20代の女性では、もしも摂取時に懐妊している際には、胎児に悪影響を与える可能性があるということでしょうか。
そのような意味で、男性と女性の対策については少し性質が異なります。
また、当たり前ではありますが、男性と共通して、食道がんなどといった飲酒に関連する疾患への罹患率も上昇します。
これらについては、医学雑誌として権威ある “New England Journal of Medicine (NEJM, ニューイングランドジャーナルオブメディスン)”と言う雑誌にも20年以上前から掲載され、指摘されていました。
Alcohol Consumption and Mortality among Middle-Aged and Elderly U.S. Adults | NEJM
今までにない傾向への対策
今までの飲酒の弊害については、キーワードとして「中高年男性」、「酩酊」の2つがありました。
しかしながら今は、「20代女性」と言う今までにないキーワードを注目しなければいけません。しかも、酩酊するまで飲むわけではなく、少量の飲酒でも依存や肝硬変のリスクがあり、医療問題として認識するのも難しいでしょう。
このような「今までにない」問題に取り組むと言う事は、すなわち、
「検証された」予防策が極めて少ない
と言うことを意味します。
そのため、常に対策は仮説と検証を繰り返して行わなければなりません。
そしてそれが実際に今後、行われていくことになります。
そのような意味で、私たちは、医療従事者のみならず、一般の方でも、自ら率先して、対策に気を使うべきだとも言えるでしょう。
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