研究って残念なことに、常に評価され続けるんですよね。
Publish or Perish!なんて言葉があるように、「書かねば消え去る」そんな厳しい状況でもあるわけです。
でも、実際に何をもって評価されてるん?という話になると、結構主観的な話になることが多いんですよね。
あの人は大手雑誌に出したから~
とか
あの人は今までに何本も論文出してるから~
とか。
数も質も大事だけど、それってなんか客観的に評価する方法とかないん~?
みたいな感じに思ったりするわけです。
そんな指標として提唱されていて比較的有名なのが、インパクトファクター(Impact Factor, IF)やエイチ・インデックス(h-index)ではないかと思います。
このページでは、これらの指標について具体例を交えながら解説していきたいと思います!
インパクトファクターとは?
インパクトファクター(IF)という言葉は、みなさんどこかで聞いたことがあるかもしれません。
これはなにかというと、論文を掲載する学術雑誌のレベルを表すものです。
具体的にどう計算されているかというと、
(とある期間にその論文が引用された数=被引用数)÷(同じ期間に掲載された論文数)
で計算されています。たいていの場合は過去2年間の期間をもってIFを示すので、
2021年のIF = (2019年から2020年の被引用数)÷ (2019年から2020年に掲載された論文数)
みたいな形になります。
なので、2019年から2020年までにA雑誌のすべての論文が引用されたのが合計で2000回あって、同じ期間にA雑誌が100件の論文を掲載していたとなると、IFは20になるわけです。
質の高い論文を掲載すればするほど、IFが上がりそうな印象を持っていただけるかと思います。
つまり、掲載された1本の論文が何回引用されているか、という指標になり、それはすなわちほかの研究の礎にどれだけなっているか、の指標ともいえるということから、そのジャーナルのレベルを表すと考えることが出来るわけです。
なので、IFの高いジャーナルの査読は厳しく、私のようにしょぼい研究しかできない場合には門前払いされることもしばしばあります…(;´・ω・)
h-indexとは?
一方、h-indexとは、ジャーナルではなく、「研究者の指標」になります。
定義を言葉にしていくと、
「被引用回数がh回以上ある論文がh本以上ある」とする場合の最小のhの値が、その研究者のh-indexになります。
ある研究者が、少なくとも5回以上引用されている論文が5本以上ある場合、その人のh-indexは5になるわけです。
ちょっとわかりにくいので、具体例を出したいと思います。
今までに5本の論文を発表しているAさんについて考えましょう。
Aさんの論文はそれぞれ3回、2回、0回、0回、1回引用されているとします。
そうなると、最低2回以上引用されている論文は2本以上ありますが、最低3回以上引用されている論文は1本しかありません。
この場合、Aさんのh-indexは2になります。
一方、同じく5本の論文を発表しているBさんについて考えてみましょう。
Bさんはそのうちの1つの論文がとても高いIFの雑誌に採択されて、とても引用されるようになりました。
それぞれの引用回数が150回、1回、0回、2回、1回だったとすると、
・1回以上引用されている論文は4本
・2回以上引用されている論文は2本
・3回以上引用されている論文は1本
ということになり、Bさんのh-indexも2になります。
このように、h-indexは研究者の論文の量と質をバランスよく評価するような指標となっている、ともいえるかもしれません。
なので、h-indexが高くなればなるほど、それを1上げるのが難しくなってくるのは、感覚的にお分かりになるのではないかと思います。
とにかく上げるためには、カウントされる論文がないと始まりませんから…。
まあ、教授クラスになってくると、その学生さんとかスタッフさんが書かれた論文が出てくれば、数自体は問題にならないのかもしれませんけど笑
ちなみに、これがなぜ「h」indexなのかといいますと、この指標を提唱したのがJ.E. Hirschさんという研究者だからなんですね!おそらくご自身の頭文字をとったというのが、h-indexの語源なのではないかと思います。
結構この指標についてはいろいろ吟味されつつ発表したみたいです。
無料で読めますから、ご興味のある方はどうぞ。
Hirsch JE. An index to quantify an individual’s scientific research output. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 Nov 15;102(46):16569-72. doi: 10.1073/pnas.0507655102. Epub 2005 Nov 7. PMID: 16275915; PMCID: PMC1283832.
指標は参考になるけど、あまり気にしすぎてもいけないかも
というわけで、インパクトファクターとh-indexという2つの指標について紹介しました。
かなり多くの人たちに受け入れられている指標なので、高いインパクトファクターの雑誌に掲載されたり、h-indexが高くなるとうれしいものです。
ですが、インパクトファクターや論文の出しやすさみたいなものは、分野によっても異なるとされていますから、あまり直接比較するのはお勧めしにくいときもあります。
例えばですが、インパクトファクターでいえば、PLOS one というオープンアクセスのジャーナルはインパクトファクターが6以上ありますが、私が専門とする公衆衛生学系の雑誌で言えば、Public Healthという雑誌はインパクトファクターが3もない年があるものの、こちらに掲載されるほうが圧倒的に価値を見出してもらいやすいということにもなったりします。
結局のところ、周りに左右されずに自分の研究にまい進するのが一番なんですね…!
まあ、それがなんだかんだ難しいわけなんですが笑
医学部って、苦しいけど楽しい!
以上、マイルで旅する医学生「ちっぷ」(@aiueo_tips)がお送りしました!
まだまだ未熟だけど頑張るよ!
最後までお読みいただきありがとうございました!
マイル旅、最高!
実は私、普段は「マイル旅」のことをメインにブログを書いています(*^-^*)
マイルを貯めて、使って、お得に世界中を旅したい!あなたも「マイル旅」、始めてみませんか?
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