医療は果たして、ネットの脅威に正しく向かい合えているのだろうか

エッセイ
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家にいる生活が当たり前になり始めて、もうすぐ1年になろうとしています。「やっと1年」なのか「もう1年」なのかはわかりませんが、ひたすら対面で他人と出会う機会は失われましたね…。

そんな中で、やはりインターネットという文明の利器は圧倒的な力を持っているなぁと改めて感じています。だって、誰かと話すのだってインターネットを経由する時代になってるわけですからね。インターネットのない時代に「自粛しろ!!」って言われてたら本当に大変だったろうと思うんです。
まぁ、それがいわゆるペストの時代ですよね…。もしご興味がある方がいらっしゃれば、カミュの『ペスト』とかもステイホームの間に読んでいただくと面白いかもしれません。

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(これ調べるまで知らなかったんですけど、漫画版も出てるんですね!)

帯が「コロナウイルス禍の今とそっくり!」って書いてますね。

さて、そんな中で、私は大学生向けに「コロナ時代から考える学生時代に身に着けておきたいSNSとの付き合い方」などという大それたタイトルのコラムを書かせていただきました。

この記事を書くに至ったのは、やはりSNSやインターネットでの情報が害をなしている場面が目立つようになり、何とかできないものか…と考えたためです。特に、この記事の中で取り上げているワクチンに関する話題はかなり今でもホットですよね。この記事を書いたのは11月の下旬から12月の上旬なのですが、正直ここまでこの議論が過熱していくとは思ってもいませんでした。

今回は、この記事をそもそもなぜ書いたのか?という点と、ここでは語れなかったワクチンに関する私自身が感じる懸念などについて解説していきたいと思います。

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SNSって難しい

別に情報を得ることに限られているわけでもないんですが、SNSってどうも使ってると難しいことが多いなぁって思ったりします。
いや、操作とかが難しいなぁっていうわけじゃないんです。
むしろ、すぐに自分の意見とかを瞬時にtweetできちゃったりするんでなおさら難しいわけですね。

これは別にずっと言われてきたことですが、SNSでの発信って自分にも他人にもすごく影響を与えると思うんですよ。
SNSの誹謗中傷で失われた命があったのも記憶に新しいですが、逆にSNSから始まる恋だってあるわけです。そこに媒介されるのは電子情報だけなのに、心身に与える影響についてはかなり大きいものがあるように感じています。

そして、なんだかんだ言って楽しいから、そこに結構頻繁にお尋ねしちゃうわけですよね。結局疲れていく。ある意味恋愛みたいなところがあるかもしれません。

ワクチンは情報操作に弱い

さて、少しだけワクチンの話をします。とはいっても、今回のコロナワクチンについては後で少しだけ言及するにとどめて、いろいろなワクチンの話を全般的にしてみたいと思います。

今はSNS上で「ワクチン」という話をすればもちろんこのコロナに対するワクチンのことを示すわけですが、このコロナワクチンが登場する前にどんなワクチンが話題に挙がっていたか皆さん記憶にありますでしょうか?

そうです。子宮頸がんワクチン。HPVワクチンと呼ばれるものです。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により発症するものが大半なので、その感染をワクチンで予防すれば癌が予防できる!という画期的なものでした。男性に対しても喉などの中咽頭がんなどに対して効果があるとされています。

この普及は10年弱前までは順調に進んでいました。
しかし、重篤な副作用があるかもしれないという報道により世論が恐怖に包まれ、厚労省が「積極的な推奨は控える」という白旗を挙げ、日本でのワクチン普及は大いに後れを取りました。その後、HPVワクチンが極めて重篤な副作用を起こすかどうかの追跡調査が国内外にて実施されていますが、安全性が確認されています。

HPVワクチンに関しては日本が極端な遅れをとった悲しき事例になってしまいましたが、実はワクチン接種に関する戦いは数多く繰り広げられてきました。
欧州ではMMR三種混合ワクチンが精神疾患を引き起こすかもしれない、という論文が出されたことでかなり接種を控える運動が広がり、小児の健康に対して計り知れない影響があったと考えられています。
同様の不安が東南アジア諸国でも見られるとされています。

このような経緯があるので、WHOやUNICEFなどの各種団体は今回のワクチンに関する適切な情報を提供することにかなり力を入れている、という事情があるわけです。

コスパよく情報を得ていく

ただ、誰も「間違った情報が欲しいぜ!!」って言いながら情報を探しているわけではないんですよね。みんな正しい情報が欲しいと思っているはずなんです。

ここで大切になってくるのが「正しい情報かどうかを見分ける力」であるという話は先述の記事でしました。そのためには、自分が得る情報が「正しくないかもしれない」と思えることが大切になってきます。なので、なるべく多くの人の批判的な目にさらされ、信頼できる人のお墨付きが得られた情報であるのが望ましいです。そのような意味で、一流の医学雑誌に掲載されるというのは、査読という厳しいチェックプロセスを経て、「うちの名前を付けて出版するにふさわしい」と考えて一流雑誌が掲載しているわけなので、かなり信頼性が高いと考える妥当性はあるでしょう。

ただ、医学に関してみんなひたすら論文を読めるわけではありません。
重要な情報をつまみ食いしていくようなことも大いにあるでしょう。
そうするときに重要になるのがこの情報ではどこまでが分かっているといえて、逆に何がわかっていないんだろう」と考えることです。それができていれば、基礎的な情報だけを得ていてもかなりいろいろなところに応用がききます。

ちょっとたとえが悪いかもしれませんが、クレジットカードで貯まるポイントについて考えるとしましょう。通常「1000円につき1ポイント」がつくクレジットカードのとき、この情報だけを知っている人と「公共料金の支払いではポイントが付かない」という情報をさらに知っている人がいれば、公共料金のお支払いにどのカードを使うのかについての判断は大きく変わってくることでしょう。さらに言えば、そもそも「支払ってもポイントが付与されない可能性がある」という情報を知らない人がいれば、あとから貯まったポイントを見て涙を飲む可能性もあるわけです。「ただ、これだけの情報ではモバイルSuicaのチャージにポイントがちゃんとつくかわからへんなぁ…」と思ったらネットを検索したりコールセンターに問い合わせができるわけですね。

これが医学の最新情報についてもいえるわけなんですが、悲しいかな医学の場合はかかっているのがほんの数ポイントではなく、かけがえのない人の命です。知らなかったではどうも許しが得られるものではありません。

そうなってくると、一番大事になってくるのは、何かがわからなかったときにどこに問い合わせればいいのかを知っておくことです。

それさえ自分の中にあれば、たいていのことは大事に至らなくて済みますので…。

とりあえず、落ち着く

というわけで、今回は「街角キャリアラボ」に寄稿したコラムの解説を少しばかり書いてみました。大学生に焦点を絞ったネット媒体さんなので大学生向けに書いた記事でしたが、いろんなところ、そしていろんな年代に応用できるエッセンスはぐっと詰め込んだつもりです。

特に今回の新しいワクチンに関しては、医療従事者でさえも完全に最新の正しい情報を追っていくだけでも大変なんじゃないかと思います。普通の業務に加えてコロナ対応も増えてますからね…。

そういう意味からでも、医療現場には今まで以上に過度な負担はかけないように配慮してあげてほしいのです。
(私が言うことでもないのかもしれないですけど、せっかく言う場があるので言わせていただきました笑)

スピーディーに情報が飛び交うSNSですが、ちょっと一歩引いて「あー、世間がなんか騒いどるわ~」くらいのおおらかな気持ちで情報を見守っていきたいなぁと思っている次第です。

これからも読者さんやフォロワーさんの皆さんと、なるべく楽しくネットで過ごせたらなぁと思っています!よろしくお願いいたします(*’▽’)

医学部って、苦しいけど楽しい!

以上、マイルで旅する医学生「ちっぷ」(@aiueo_tips)がお送りしました!

まだまだ未熟だけど頑張るよ!

最後までお読みいただきありがとうございました!


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