私は本を読むのが好きですが、あまりビジネス書を読むのが好きではない。
というより、昔はそこそこ読んでいたものの、徐々に飽きてきた、というのが正直なところである。
はじめはモチベーションを上げるためにも有用だと思っていたので色々と意識が高めな本を読んでいたが、ひたすら読み漁っていくとどうもつまらなくなってきたのだ。その理由はいくつかあるのだが、最大の理由は「どの本も結局の所、言っていることは同じ」ということに気づいたからだと思う。形は違えど、どの本も同じようなことを言っていて、そのメッセージ性に気づくと、先の展開もある程度予想がついてきて、読んでいくにつれワクワク感がどんどんと薄れていってしまったのである。
とはいえ、時たま読む分には、モチベーションを上げたりする意味では有用だと思うこともあるので、医学ばかりで心がつかれたとき、他のジャンルの本が読みたくなってその類の書籍に手を出すこともないわけではない。
でも、この手の本は、最終的にはメッセージが全て似通っている。
となると、受け取る中身が一緒なのであれば、気になってくるのはコスパになる。
本のコスパとはなんなのか?
少し悩ましい疑問だが、同じメッセージを自分のなかで受け取って、咀嚼するということを「パフォーマンス」として考えるのであれば、そのために費やすコストは「本を読む時間・労力」「本を手に入れるためにかかった費用」あたりになるのではなかろうか。
そのような意味では、今回紹介する本著は非常にコスパが高いと言えよう。
医師であるスペンサー・ジョンソン氏が書いた「チーズはどこへ消えた?」という本は、長年ベストセラーであり続ける書籍の1つだが、驚くべきことに、なんと1時間足らずで読破できてしまう、非常に読みやすく分量が少ない本である。英語では “Who moved my cheese?”というタイトルで知られるこの本は、諸説あろうが「自己啓発本」というジャンルに含まれる。
そう考えると、こちらの本は時間的コストという意味では非常に高得点であると言える。
シンプルさ故に心に響く
さて、こちらの本がなんの内容であるかというと、さすが「自己啓発本」のひとくくりに入るということもあって、伝えようとする内容はかなりシンプルだ。簡単に言えば「世間は常に変動する。怖いかもしれないが、自分も絶えず変化していく必要がある」という内容だ。
このようなメッセージを伝えようとする自己啓発本は、洋書和書問わずともごまんと存在する。ただ、この本の特徴は、その内容を誰にでもわかるようなカンタンなたとえ話で妙なほど説得力がある形で説明されているという点にある。この手の洋書のベストセラー本は、例年解説漫画が出版されるようになるという謎な現象が生じるが、この「チーズはどこへ消えた?」に関してもその例に外れず解説マンガが出版されている。
ただ、この本の内容に関しては、特にそのようなわかりやすい解説を必要としない。そもそも書籍の内容自体がわかりやすいからだ。要領がよければ、小学校低学年でも読めてしまう内容なのではないかと思う。
そのようなカンタンなたとえ話がベストセラーとして君臨し続けているのも、先程書いた筆者のメッセージが極めて効率的に読者に伝わっているからなのではないかと思う。幾分か意識の高すぎるアツい人たちから「だから!!君たちは!!!この変動の多い社会で!!!!常に変わり続けなければいけないのだよ!!!!!」みたいなことを厚かましく押し付けられるのではなく、「自分はどうなりたいの?」と問いかけてくれるシンプルさが何よりもこの本の魅力だと感じた。
実はこの本、私が新しく購入したものではない。
たまたま実家に帰省した際、親が昔使っていた本棚に見つけたので、しれっと借りてきたのが始まりである。私はこの本を試験勉強の気分転換のためにパラパラっと読んでいたのだが、それくらい気楽に読める作品でもある。
今の社会、新型コロナウィルスを抜きにして語ることが難しくなってしまった。新型コロナウィルスとともに生き、新しい生活を始めるとなると、どうしてもまた意識が高そうな「変革」に目が行きがちになる。けれど、そんな難しい話ではなくて、社会がどうであろうとも、自己研鑽を積み続けて、しっかりと前に向かって歩みを続ける。そのような実直な行動力こそが、今も昔も求められているのではないかと私は個人的には思うのである。
とはいえ、これはあくまで私自身が感じとった話だ。
このストーリーのもう1つの魅力は、様々な解釈が可能である点にあると思う。実際、こちらの書籍に登場するストーリーについて、何名かの学生が議論を交わす場面が巻末に掲載されている。色々な解釈に基づいて考えて、自分はどうあるべきなのかを少し見返す。気軽にちょっと自分の意識を高めるためにおすすめの1冊なのではないかと思います…!
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